東大卒英語講師が『英語喉』を正直レビュー│使い方の注意点と他の参考書との比較まで

「TOEICは高得点なのに、なぜか英語が通じない」

「英会話になると、自信がなくて声が小さくなる」

そんな悩みを抱える英語学習者に共通する原因、それは日本語と英語の「発音の出どころ」の違いにあります。

日本語は口先で話す言語。

一方、英語は喉を使って響かせる言語です。

この構造の違いを理解せずに練習しても、ネイティブの耳には「何か違う」と伝わってしまいます。

『英語喉 50のメソッド』は、この「喉の使い方」に着目し、ネイティブのような発音と、正確なリスニング力を同時に鍛えることができる一冊です。

この記事では、英検1級、TOEIC960点を取得している筆者が、『英語喉』の効果や具体的なトレーニング内容、他の発音教材との違い、読者が陥りがちな失敗例とその対策までを、実体験を交えながら詳しく解説していきます。


📘 書籍の構成とメソッド概要

『英語喉』は以下の構成で進みます:

🔸 序章:喉発音とは何か?

  • 日本語は「口先・鼻音」で成り立っている
  • 英語は「喉・胸」で響かせる言語
  • 「モゴモゴした日本人英語」から脱却する第一歩は喉の使い方

🔸 中盤:喉の使い方を体に染み込ませる50のメソッド

  • 喉発音の「3ビート」を学ぶ
  • 子音や母音の位置と響かせ方を習得
  • 発音記号ではなく、実際に体に落とし込む反復練習

🔸 実践:リズム・スピード・フローの習得

  • 一語一語の正確さより「流れ(フロー)」を重視
  • 会話のテンポを意識した発音練習
  • 日本語とは異なる「ストレスと弱音のバランス」

✅ 筆者の実体験:発音は本当に改善した!

私はこれまで英検1級、TOEIC960点を取得してきましたが、「発音」には自信がありませんでした。しかし『英語喉』を3か月間、本気で毎日練習した結果、ネイティブに「発音がかなり自然だね」と言われるようになったのです。

特に変化を感じたのは次の3点:

  • “R”と“L”の違いが自然に出せるようになった
  • 単語同士のつながり(リエゾン)を意識せずにできるようになった
  • 録音した自分の音声が“モゴモゴ”していない

これは、ただ「正しい音を真似する」だけでは絶対に身につかない感覚です。


🕰️ 習得には時間がかかる。だがその価値は絶大。

結論から言うと、『英語喉』の習得には最低でも3か月は必要です。毎日練習しても、最初の1か月は「できているのかすら分からない」という感覚が続きます。

それでも継続すると、ある日突然「喉が開く」感覚が訪れます。すると、自分の声が急にネイティブの音に近づいたように聞こえるのです。

🎯 英語喉は「知識」ではなく「身体感覚」を鍛える教材。
だからこそ、習得には時間がかかるのです。


🎧 リスニング力が上がる理由とは?

英語を聞いていて「単語は知っているのに、聞き取れない」と感じたことはありませんか?
その原因の一つが、英語特有の「音のつながり」や「省略」です。以下のような例が代表的です。

can と can’t の違い

肯定文の「can」は弱く曖昧に発音され、「kən」のように聞こえることが多くなります。
一方、否定の「can’t」は強くはっきり発音され、「kænt」としっかり /t/ の音まで聞こえるのが特徴です。

例:
I can do it. → アイ kən ドゥーイッ
I can’t do it. → アイ キャント ドゥーイッ

特に会話ではこの差が顕著で、聞き取りにくさの原因になります。

Did you → Didja

ネイティブの会話では、音と音がつながって変化することがよくあります。
「Did you〜?」は、実際には「Didja(ディッジャ)」のように聞こえます。

例:
Did you eat it? → Didja eat it?(ディッジャ イーディッ?)

日本の教科書英語ではまず習わない音の変化です。

of course → uh course

前置詞や冠詞などの機能語は、弱く、曖昧に発音されがちです。
「of course」は、「uh course(ア コース)」のように聞こえることも珍しくありません。

例:
Of course not. → Uh course not.(ア コース ナッ)


こうした「弱化」「連結」「省略」は、日本語には存在しないルールです。
『英語喉』のトレーニングでは、こうした英語の自然な音の流れを体に覚えさせるため、リスニング力が大幅に向上します。
英語喉ではこれらの音を自分で発する訓練をするため、耳が“自然に”反応するようになります


❓ TOEIC・英検対策には向いている?

率直に言って、『英語喉』はTOEICや英検の点数を短期間で上げる教材ではありません

📌 理由:

  • 出題パターンに沿った問題練習ができない
  • リスニング形式が異なる(会話形式よりスピーチ重視)
  • 発音が良くなってもスコアに即反映されない

🧭 では、どう活用すべきか?
「英語喉」×「TOEIC公式問題集」の併用がベストです。

  • 英語喉で「本質的な音感・リズム」を養う
  • TOEIC教材で「試験形式への対応力」を鍛える

この二本柱で学ぶことで、「通じる英語」と「スコアに反映される英語」の両方を手に入れることができます。


🔍 他の発音教材と比較して「英語喉」はどう違う?

発音矯正と聞くと、以下のような教材や学習法を思い浮かべる方も多いでしょう:

🎧 『英語耳』(松澤喜好 著)

  • 音素(子音・母音)ごとの発音トレーニングに特化
  • CDを聴きながら音を真似る方式
  • 音を一つずつ「丁寧に」習得できるが、流れや喉には触れない

➡️ 細部の精度は高いが、英語の流れは身につきにくい

📺 YouTubeでの発音チャンネル

  • 無料・高品質な動画で正しい口の形や発音を学べる
  • 断片的な情報が多く、体系的な練習がしにくい

➡️ 補助教材として優秀だが、学習の“軸”にはなりにくい

🧑‍🏫 オンライン英会話での発音練習

  • 実際の会話でフィードバックをもらえる
  • 発音矯正に特化した講師は少ない

➡️ 実践には強いが、根本的な発音改善は難しい

📘 『英語喉』(上川一秋・ジーナ・ジョージ 共著)

  • 喉・リズム・流れに焦点を当てた唯一無二の発音矯正法
  • スピーキングとリスニングを同時に底上げする教材

➡️ “発音ができればリスニングもできる”を体感できる稀有な一冊


⚠️ よくある失敗パターンと対策法

『英語喉』は本質的な教材だからこそ、最初でつまずく人も多いです。

❌ 声を張りすぎて喉が痛くなる

→ 喉を響かせようとして大声を出すのは逆効果
脱力して「あくびのような感覚」で発音

❌ 喉を意識しすぎて声がこもる

→ モゴモゴした声になる
母音の後ろで響かせる意識+録音確認

❌ 継続できない

→ 成果が出る前に挫折
1日10分×90日でリズムと響きが定着

❌ 録音・比較をしない

→ 自己流のまま上達が止まる
毎週録音し、変化を数値と音で確認する


🖋️ 著者について

本書『英語喉』は、上川一秋氏ジーナ・ジョージ氏の共著です。

  • 上川氏:日本人の発音改善を追求した実践派言語研究者
  • ジーナ氏:アメリカ人英語講師として、喉発音理論をネイティブ視点で補完

この“日米タッグ”により、理論と実践の両輪が成立しています。


📕 総評(レビューまとめ)

評価項目評価(★5つ)コメント
発音改善効果★★★★★3か月以上の継続で劇的に変化
リスニング効果★★★★☆音のつながりが聞こえるようになる
学習負荷★★★★☆ある程度の期間は必要だが、1日短時間の学習でOK
試験対策との相性★★☆☆☆TOEIC・英検目的なら非効率
英語力の本質向上★★★★★一生モノの発音とリズム感が手に入る

✍️ 最後に:試験を超えた“本物の英語”を身につけよう

『英語喉』は一見すると地味で、すぐに結果が出る教材ではありません。
しかし、英語を「読む」「書く」だけでなく、「聞き取って、伝える」ことを目指すのであれば、これ以上に本質的な本はないと断言できます。

時間はかかる。でも一生モノの武器になる。
それが『英語喉』です。

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投稿者プロフィール

川端 啓豊
川端 啓豊
東京大学法学部卒。大学卒業後、自動車メーカーにて勤務し、働きながら公認会計士試験に一発合格(合格者のうち、上位3%合格)。
現在は監査法人にて会計監査・IT監査に従事するとともに、海外経験なしで英語を習得した経験を生かして英語教育業に携わっています。
保有資格:公認会計士、英検1級、TOEIC960点