東大卒英語講師がTOEIC750点のレベルを解説!│就職・転職・英語力のリアルな評価

TOEIC750点を取得した方、または目指している方にとって、「このスコアって本当にすごいの?」「企業ではどう評価されるの?」「英語は話せるようになるの?」など、さまざまな疑問があると思います。

この記事では、英検1級、TOEIC960点を取得した筆者が、TOEIC750点のレベルと、その裏にある英語力、就職・転職市場での評価、今後の課題と学習の方向性について、詳しく解説していきます。


TOEIC750点はどのくらいのレベル?日本での立ち位置を知ろう

TOEIC750点は、日本人受験者のなかで上位15~20%に入るスコアです。TOEIC平均点(L&R)はおよそ600点前後とされており、それを150点以上上回る750点は、明らかに“英語に強い”という印象を与えます。

ただし注意したいのは、750点=英語が得意というよりも、「英語に抵抗がない」とみなされるレベルであるという点です。

企業によってはこの「抵抗感のなさ」を評価し、グローバル部署への配置や、英語を使った資料読解・メール対応などの業務も任されやすくなります。

とはいえ、外資系や英語使用頻度が高い企業の場合は、最低でも860点以上が期待されるケースが多く、750点では“十分”とは言い切れません。


英語力としての750点:リスニング・リーディングはどう?

TOEICはリスニング(495点満点)とリーディング(495点満点)の合計スコアで評価されます。750点の取得者であれば、リスニングとリーディングのバランスは概ね以下のようなイメージです。

リスニング:約400点前後

  • 短めの会話やアナウンスの大意は理解できる
  • 図表を含んだ説明、2人以上の会話にもある程度対応可能
  • ただし細かい情報の聞き取りや、速い話し手にはやや苦戦

リーディング:約350点前後

  • メール、広告文、案内文の内容は把握できる
  • パート7の長文読解では、処理スピードに課題が残る
  • パート5(文法問題)では、時制や語法の細かい誤りに引っかかることも

このように、英語の基礎的な読み書きと聞き取りはある程度身についている状態ですが、ネイティブ同士の自然な会話や長文情報の即時処理には、もう一歩という印象です。


就職・転職市場における評価:750点はアピールになるか?

TOEICスコアは多くの企業で、客観的な英語力の指標として活用されています。特に750点以上であれば、履歴書や職務経歴書に記載して十分にアピール材料になります。

学生・新卒の場合

  • 英語を重視する企業では「730点以上が目安」という基準があるため、750点は目標ラインを超えており加点対象
  • 文系理系問わず、「英語をある程度使える人材」として認識されやすい

社会人・転職活動の場合

  • 英語を頻繁に使わない企業では評価の対象
  • 英語をまったく使わない職場でも、「学習努力の証」としてプラス評価
  • 一方で、外資系企業やグローバルポジションでは860点以上が実質的な応募資格となることも多く、750点ではやや力不足と判断されるケースも

750点を取得していると、「英語が得意」とまでは言われませんが、「英語にアレルギーがない」ことの証明にはなります。これが企業側から見て非常に重要な点で、国際業務に対する適応力があると判断されるプラスの要素となります。


TOEIC750点を取った人のよくある課題:「話せない」壁

TOEIC L&Rテストは、読む力と聞く力に特化した試験です。そのため、750点を持っていても、実際に英語で話したり書いたりする場面では苦戦する人が多いのが現実です。

たとえば以下のような悩みがよく聞かれます。

  • 会議で英語が飛び交っても、発言できない
  • 海外クライアントとの電話でパニックになる
  • 英文メールに時間がかかる/伝えたいことがうまく書けない

この背景には、TOEICではアウトプット能力が評価されないという性質があります。つまり、750点を取ったとしても、「スピーキング」や「ライティング」は未学習のままであるケースが大半です。

750点はあくまでリスニングとリーディングの力が一定水準に達したことの証明であり、実際に英語を“使える”かどうかは別の問題です。


今後の学習ステップ:スコアアップとスピーキング強化へ

750点まで来たあなたが次に目指すべきは、800点突破とスピーキング力の強化です。以下に、そのための具体的な戦略を紹介します。

スコアアップの方法:800点台を目指すための具体策

TOEIC750点から800点を突破するためには、単に“問題数をこなす”だけでは伸び悩むこともあります。各パートの特性を理解し、弱点を絞った学習戦略が重要です。

以下に、各パートごとの「やるべきこと」と具体的な学習法を紹介します。

🟦 パート3・4:会話・説明文のリスニング対策

やるべきこと:聞き取りの精度+反応速度を高める

  • シャドーイング(1日3〜5分×2セット)
     TOEIC公式問題集などの音声を使って、スクリプトを見ずに話者の直後に復唱するトレーニング。音とリズムに慣れることで、瞬時に意味を取る力がつきます。シャドーイングをやっている方は継続を、やったことがない方はぜひ取り入れてみてください。
  • 音声変化の聞き分け(教材例:『英語耳』『Distinction』など)
     can → [kən]、going to → [gonna] など、自然な英語の音に慣れておくと、リスニングの負荷が大きく下がります。発音が学べる参考書をやったことがない方は、ぜひやってみましょう。

🟦 パート5:文法問題の精度アップ

やるべきこと:感覚ではなく文法ルールで確実に解く力をつける

  • 教材:『TOEIC 文法問題 でる1000問』が鉄板
     この1冊を徹底的に反復し、「なぜその選択肢が正解/不正解なのか」を解説ごと理解しましょう。最低3周+苦手問題のピンポイント復習が効果的です。間違った理由を確認しながら解き進めることがポイントです。

🟦 パート7:長文読解のスピードと精度を両立

やるべきこと:読みながら答えを探す訓練を積む

  • タイムアタック練習(1日1セット/10分目安)
     公式問題集などのパート7問題集を使い、「時間内に正解にたどり着く練習」を継続。内容理解より解答スキル(根拠探し)の訓練が重要です。必ず時間を測って解くことがスコアアップのポイントです。解いた後は時間を測らずに精読して、不明な点は日本語訳や解説を読みましょう。

スピーキング力の強化

  • オンライン英会話で場数を踏む(BizmatesやCamblyなど)
  • 『英語のハノン』や『瞬間英作文』で「言いたいことを即座に英語にする」練習
  • TOEIC Speaking/Writingテストへの挑戦もおすすめ

750点のまま立ち止まらず、「英語を使える人」になることが次の目標です。750点を取ったにもかかわらず、スピーキングがまったくできないとがっかりされる恐れがあります。


TOEIC750点の価値を正しく理解しよう:まとめ

  • TOEIC750点は、英語に抵抗がないと評価されるスコア
  • 就職活動や転職では、企業によってポジティブな評価を得られる
  • ただし、英語を業務で積極的に使う職種ではやや不十分。860点以上が推奨される
  • スピーキングやライティングは別途対策が必要
  • 750点は「英語の地力がある」ことの証拠であり、今後の成長が期待されるライン

よくある質問(FAQ)

Q1. TOEIC750点は英語を話せるレベル?

→ 必ずしも話せるとは限りません。TOEICはスピーキング力を測らないため、会話力をつけるには別途トレーニングが必要です。

Q2. TOEIC750点は履歴書に書いていい?

→ はい、十分に書けます。特に英語を使う職種・部署・業界を目指す場合は、加点評価される可能性があります。

Q3. 750点から800点までに必要な学習時間は?

→ およそ100~150時間程度が目安です。特にリーディングセクションの強化がカギになります。

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投稿者プロフィール

川端 啓豊
川端 啓豊
東京大学法学部卒。大学卒業後、自動車メーカーにて勤務し、働きながら公認会計士試験に一発合格(合格者のうち、上位3%合格)。
現在は監査法人にて会計監査・IT監査に従事するとともに、海外経験なしで英語を習得した経験を生かして英語教育業に携わっています。
保有資格:公認会計士、英検1級、TOEIC960点