『究極の英単語』を東大卒英語講師が辛口レビュー│実際に使ってみた感想とおすすめしない理由

英単語をしっかり覚えるには、どの教材を使うかがとても大事です。英語学習をしていると、『究極の英単語』という名前の参考書を見かけたことがある方も多いと思います。

この本は、アルクという英語教材の大手会社が作ったもので、全部で4冊のシリーズです。英語のレベルに合わせて使えるようになっていて、多くの英単語を網羅的に学べます。

でも、「本当にこの本がベストなのか?」「どんな人に向いているのか?」を考えると、注意すべき点もあります。

この記事では、英検1級、TOEIC960点を取得している筆者が、実際に使ってときに感じた感想とイマイチな点を、わかりやすくお伝えします。

『究極の英単語』ってどんな本?

このシリーズは、英単語12,000語をレベル別に分けて、4冊で紹介しています。レベルは次のようになっています。

  • Vol.1:英検3級〜準2級レベル
  • Vol.2:英検2級〜準1級レベル
  • Vol.3:英検準1級〜1級レベル
  • Vol.4:英検1級より上のレベル

英単語だけでなく、例文や音声もついていて、「聞く・読む・覚える」をバランスよく勉強できるのが特徴です。

注意点①:単語の一覧だけのページが使いにくい

この本で一番残念だったのは、「wordlist(ワードリスト)」と呼ばれるページです。

ここには単語、日本語訳、簡素な例文がただ並んでいるだけで、しっかりした例文や使い方の説明がありません。

しかもこのwordlistが参考書全体の約半分の単語数を占めているため、学習者への負担が大きいです。

英単語をただ暗記しようとすると、すぐに忘れてしまうことが多いと思います。たとえば、「DUO 3.0」や「キクタン」など、例文中心の単語帳の方が記憶定着に効果的です。

注意点②:日本語訳が赤文字なのは、ちょっと不便

この本では、日本語訳の部分が赤い文字で書かれています。これは「赤シート」で隠して覚えるための工夫なのですが、逆にこれが不便なときもあります。

たとえば、「日本語から英語を思い出す練習」をしたいときには、この赤文字仕様だとやりにくいです。

特にスピーキングやライティング練習をしたい人にとっては、「英語をアウトプットする」練習がしづらいと感じました。

boocoアプリの「AI暗記」を使えばアウトプット練習もできるけど…

公式アプリの「booco」には、AIを使って日本語から英語を思い出す練習ができる機能があります。ただし、この機能は有料(サブスクリプション)です。

スピーキングや英作文の練習にも使えますが、お金をかけたくない人や、まずは紙の教材で学びたい人には向いていないかもしれません。

個人的には、はじめからアウトプット向けの本(例:「Distinction2000」など)を使った方が安く済むと思いました。

Vol.1〜Vol.3は他の本でも十分

Vol.1〜3(英検1級以下レベル)については、他にも良い参考書がたくさんあります。

  • キクタンシリーズ(音声で学びやすい)
  • DUO 3.0(短例文で効率よく英単語を覚える)
  • TOEIC特急シリーズ(TOEICに特化したシリーズ)

これらは初心者や中級者にとって使いやすく、覚えやすい構成になっています。

『究極の英単語』は1冊の単語数が多く、途中でやめたくなる可能性もあるので注意が必要です。

Vol.4だけはおすすめ!上級者には価値あり

一方で、Vol.4(英検1級超)だけは、他にあまり良い選択肢がありません。このレベルになると、使われる単語がかなり難しくなり、普通の単語帳では対応できないからです。

たとえば「effervescent(興奮した)」や「brusque(ぶっきらぼうな)」など、普段はなかなか目にしないような単語も出てきます。

英検1級に合格した後の「次のステップ」としては、貴重な参考書だと思います。

結論:初心者向きではないが、Vol.4だけは価値あり

レベルおすすめ度コメント
Vol.1〜3★☆☆☆☆他に使いやすい本がたくさんある
Vol.4★★★★☆上級者には貴重な一冊

『究極の英単語』は、名前に「究極」とついていますが、すべての人にとって最適というわけではありません。特に初心者〜中級者には、もっとつかいやすい教材もあります。

ただし、英検1級に合格した後に、「もっと難しい単語を覚えたい」「本物の上級者になりたい」と思ったら、Vol.4は非常に良い選択肢です。

なお私のスクールでは以上の理由を踏まえて、基本的に『究極の英単語』はカリキュラムに入れていません。

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投稿者プロフィール

川端 啓豊
川端 啓豊
東京大学法学部卒。大学卒業後、自動車メーカーにて勤務し、働きながら公認会計士試験に一発合格(合格者のうち、上位3%合格)。
現在は監査法人にて会計監査・IT監査に従事するとともに、海外経験なしで英語を習得した経験を生かして英語教育業に携わっています。
保有資格:公認会計士、英検1級、TOEIC960点