東大卒英語講師がパス単がベストでない理由を、実際に使った経験から解説!
英検対策といえば「パス単(英検○級でる順パス単)」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
旺文社という英検の老舗的存在が出版しており、書店でも常に平積みされている定番中の定番です。
しかし、本当に最適な英単語帳はパス単なのでしょうか?
この記事では、英検1級、TOEIC960点を取得している筆者が、パス単の長所と短所を他の人気教材と比較しながら、徹底的にレビューします。
📘 パス単の基本情報とメリット
まずは、パス単の基本情報を整理しましょう。
- 出版社:旺文社
- 対応レベル:英検5級~1級まで
- 特徴:出る順に並んだ単語、簡易的な意味・例文、ミニテスト
✅ 信頼感:英検を知り尽くした出版社による設計
パス単は、英検の実施団体である日本英語検定協会と深い関わりを持つ旺文社が発行しており、その信頼性は抜群です。
実際に出題される単語の傾向を的確に押さえた構成になっているため、「とにかく受かるために必要な語彙を短期間で押さえたい」という受験者にとっては非常にありがたい設計です。
⚙️ 優先度順の構成で効率的に学習可能
パス単は、各級ごとに「A→B→Cランク」のように重要度順で単語が整理されているのが特徴です。
最もよく出るAランクの単語から学べば、効率よく合格に近づくことができます。
この点に関しては、後述する他教材にも共通する特徴ですが、受験者にとってはありがたい構成です。
また、単語ごとに簡潔な例文が付いているため、使用イメージを確認しながら学習することができます。
とはいえ、その例文の質や語源の深掘りという点では、他の教材に劣る場面もあります。
😕 いまいちな点:記憶に残りにくい構成
筆者が実際に使用して感じたのは、「パス単は覚えにくい」という点です。
🧠 語源や語の成り立ちに関する説明が少ない
例えば、同じ英検向け単語帳である『単熟語EX』では、語源に基づいた解説が充実しています。
たとえば「endow」という単語は、「en(上に)+ dow(与える)」と分解されており、語源の視点から「上から授ける→(才能などを)授ける」というイメージで記憶できます。
しかしパス単にはこういった語源の説明がほとんどありません。
ただひたすら単語・意味・例文が並んでいるだけなので、機械的に暗記しようとすると「定着しない」「忘れやすい」という声も少なくありません。
この点で、単語をストーリーや構造で覚えたいタイプの学習者にはやや不向きです。
特に、長期記憶への定着を考えると、語源や語の構造を意識できる教材の方が有利です。
📄 ミニテストの効果が限定的
パス単には「ミニテスト」という付録的なページがあり、学習の定着確認に使えるとされていますが、実際には選択肢形式の非常にシンプルな問題であり、知識の深掘りには不向きです。
あくまで自己確認用であり、本格的なアウトプット練習には物足りないのが正直なところです。
特に、英検におけるライティングでは「意味が分かる」だけでなく「使える」ことが求められます。
その点で、アウトプットに直結しづらい構成になっているのはマイナスです。
📚 他の英単語帳との比較
『単熟語EX』との比較
『単熟語EX』シリーズの特徴は以下の通りです。
- 語源解説あり:記憶に残りやすい
- ランク別構成あり:パス単同様、重要度順で分かれている
- 例文が実践的:難解な語彙であっても、例文が自然で実用的
単語を語源で覚えたい人、意味だけでなく背景も知って記憶したい人にとっては、EXの方が効果的です。
『キクタン英検』との比較
また『キクタン英検』シリーズの特徴は以下の通りです。
- 短いフレーズで記憶:たとえば「boost morale(士気を高める)」など2~3語程度のフレーズが掲載されている
- チャンツ式音声でテンポよく学べる:通勤中やスキマ時間に音声を聞きながらテンポよく学習可能
- 音から覚えるタイプの学習者に最適:視覚よりも聴覚を重視した学習スタイルに対応
パス単やEXが紙面学習メインで単調になりがちなのに対し、キクタンは「聴覚」と「リズム」を活かして学習できるため、忙しい社会人や音から覚えたい学習者におすすめです。
🏆 筆者のおすすめ:最終的にはキクタンが最強説
筆者自身、パス単・単熟語EX・キクタン英検をすべて使ったことがあります。その中で最も「使いやすく、覚えやすく、続けやすかった」のがキクタンです。
もちろん、改訂がやや古い(最後の改訂は2017年)というデメリットはありますが、英検の語彙に大きな変動がないことを考えれば、致命的な欠点とは言えません。
それよりも効率よく覚えられることの方が、英検対策においては遥かに重要です。
また、英作文や面接対策に使える例文やフレーズを自然に吸収できるのもキクタンの強み。パス単やEXでは、あくまで意味の理解が中心で、使えるフレーズとしての紹介は限定的です。
特に、英検ではライティングとリスニングに力を入れるべきであるため、「単語帳で時間を消耗しすぎるより、キクタンでサクッと覚えて、演習やアウトプットに時間を割く」方が、合格への最短ルートになると感じています。
📝 まとめ:パス単は「普通に良い」、でも「最適解」ではない
パス単は、旺文社の信頼性、出題頻度順の効率的な構成、過去問傾向の反映など、多くのメリットを持っています。特に、英検を初めて受験する人や基礎をしっかり固めたい人にとっては、十分な教材と言えるでしょう。
しかし、記憶定着のしやすさや学習の継続性、そしてアウトプットに繋がる実践力という観点から見ると、『単熟語EX』や『キクタン英検』の方が一歩上をいく印象です。
したがって、「英検に合格する」という目的においては、パス単だけに頼るのではなく、他の教材と併用しながら、最適な学習スタイルを構築することが重要です。
結論:パス単は信頼できるけど、効率・定着・実践力を重視するならキクタンかEXがベター!個人的にはキクタンがベスト!
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投稿者プロフィール

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東京大学法学部卒。大学卒業後、自動車メーカーにて勤務し、働きながら公認会計士試験に一発合格(合格者のうち、上位3%合格)。
現在は監査法人にて会計監査・IT監査に従事するとともに、海外経験なしで英語を習得した経験を生かして英語教育業に携わっています。
保有資格:公認会計士、英検1級、TOEIC960点