東大卒英語講師が『真・英文法大全』の正しい使い方と注意点を解説!|初心者におすすめできない理由とは?
『真・英文法大全』は、数ある英文法参考書の中でも特に高く評価されている一冊です。
著者はスタディサプリなどでも知られる関正生氏で、内容の網羅性と実用性のバランス、ネイティブの感覚を意識した解説が高く支持されています。
しかし、どんなに優れた参考書でも、使い方を間違えると効果は半減します。
本記事では、英検1級、TOEIC960点を取得している筆者が、英語学習者のレベル別に本書の最適な使い方を解説するとともに、ありがちな誤解や注意点、そして「この1冊を持つべき人」とは誰かを徹底的に掘り下げます。
初心者が『真・英文法大全』を選んではいけない理由
まず声を大にして言いたいのは、「英語初学者はこの本を最初の一冊に選んではいけない」ということです。理由は明確で、「情報量が多すぎる」からです。
本書は約900ページ超、内容は大学受験〜社会人向けの英文法を全範囲網羅しており、それぞれのチャプターの密度が非常に高いです。
各項目の記述は丁寧でわかりやすいですが、その分、読者がある程度の英語力を持っていないと、読み進めるのに時間がかかり、挫折する恐れがあります。
初心者が挫折する典型的なパターン
- すべて読もうとして最初のチャプターで挫折する
- 例文の英文構造が難しすぎて理解できない
- ネイティブのニュアンス解説に混乱し、基本を見失う
- ページ数の多さに圧倒されてモチベーションが下がる
本書は、基礎文法をある程度理解した上で「なぜその文法がそうなるのか?」といった“背景”や“感覚”を学びたい人向けの書籍です。
最初の一冊には、次のような薄くて構造がシンプルな本を選ぶ方が遥かに効率的です:
- 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』
- 『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』
中級者以上にとっての『英文法大全』の価値
一方で、中級者〜上級者にとっては、『真・英文法大全』は極めて有用な一冊です。
なぜなら、以下の点において他の文法書と一線を画しているからです。
1. ニュアンス・語感の解説が丁寧
文法書は通常、文法構造や品詞の使い方を説明するだけのものが多いですが、本書では「ネイティブがこう感じる」「こういった意図の違いがある」といったニュアンス面の解説が豊富にあります。
こうしたニュアンスの理解は生涯有用であり、なるべく早く身につけるべきです。
2. 例文が実用的かつ記憶に残る
本書の例文は、どれも実際にネイティブが使う自然なフレーズであり、文法学習が「机上の空論」に終わらず、「実際の英会話でこう使えるのか」と納得感を持って進められます。
3. レイアウトが直感的で逆引きしやすい
細かい見出し・段落構成・太字・囲みコラムなどにより、「知りたい情報に素早くたどり着ける」構成です。これは本書を辞書代わりに使ううえで非常に重要な要素です。
読み物としても優秀|時間がある人向けの使い方
「読み物」としての面白さも、『真・英文法大全』の魅力の一つです。
本書では、時折ユーモアも挟みつつ、文法の背景や歴史的変遷にまで踏み込んでくれるため、「今日は1時間だけ読むか」という気軽な読み方にも向いています。
例えば、助動詞の「may」「might」「can」「could」の違いや、時制の説明なども単なる定義ではなく、文脈や感情に基づいた解説になっており、「そうだったのか!」という発見が多いです。
ただし「読むだけ」では不十分|アウトプットとの併用が必須
本書を読むことで多くの知識は得られますが、読んだだけで使えるようになるわけではありません。
英語学習で最も大事なのはアウトプットです。実際に問題を解いたり、英文を書いたり、会話の中で使ってみることなしに、知識は定着しません。
おすすめの組み合わせ例:
- 文法理解:『真・英文法大全』
- 問題演習:『でる1000』など
- 実践演習:オンライン英会話・英作文トレーニングなど
このように、「インプット → アウトプット → 振り返りで『大全』を参照」というループを繰り返すことで、知識が真に自分のものになります。
何度でも読み返す価値がある本|一生使えるリファレンス
『真・英文法大全』は「何周も読む本」ではありません。むしろ「辞書のように困ったときに立ち返る本」として活用するべきです。
私自身も、英語学習をするときに「この使い方って正しいんだっけ?」と思ったときに何度も本書を開いています。
読むたびに新しい発見があり、「あの時わからなかったニュアンスが今は腑に落ちる」と感じられる瞬間があります。
英語学習者のレベルが上がるたびに、この本の“深さ”に気づくため、まさに生涯使える参考書です。
まとめ|『真・英文法大全』はこう使う
- 初心者にはおすすめしない。まずは薄い文法書で基礎固めを
- 中級〜上級者には最適な「辞書的参考書」
- ニュアンスを理解したい人にとっては、唯一無二の文法書
- 読み物としても魅力的。ただしアウトプットは必須
- 「1周する本」ではなく「何年も使う本」として活用すべし
あなたにとって必要か?チェックリスト
以下の項目に多く当てはまる人にはおすすめです。
- 英文法の基礎は一通り終えている
- TOEIC700点〜900点レベルを目指している
- 英語のニュアンスを理解して自然な表現を使いたい
- 英文ライティング・英会話に文法力を活かしたい
- 問題集ではなく“深掘りできる参考書”を探している
逆に、次のような人は別の教材を先に使いましょう:
- 中学・高校レベルの英文法に不安がある
- 学習習慣が安定しておらず、継続が苦手
- 薄くてサクサク読める本を求めている
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当スクールでは、東大法学部卒・公認会計士の代表が、仕事と両立しながら英語を独学で習得した実体験をもとに、あなた専用の「続けられる学習法」を提案しています。
私自身、海外経験がありませんが、働きながら英検1級・TOEIC960点を取得し、また公認会計士試験に働きながら一発で合格した経験を踏まえて、多忙な方でも実践可能な英語習得法を提供しています。
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投稿者プロフィール

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東京大学法学部卒。大学卒業後、自動車メーカーにて勤務し、働きながら公認会計士試験に一発合格(合格者のうち、上位3%合格)。
現在は監査法人にて会計監査・IT監査に従事するとともに、海外経験なしで英語を習得した経験を生かして英語教育業に携わっています。
保有資格:公認会計士、英検1級、TOEIC960点